海外FXのゼロカット(追証なし)の利点と、海外FX業者がなぜゼロカットを採用しているのかを解説します。
このページはゼロカットについて理解を深められる内容となっています。
ゼロカット(追証なし)の利点 | FXのリスクを考える
ゼロカットとは口座資金がマイナスとなってしまったとしても、お金を請求されることはなく、マイナスになった口座残高はゼロにしてくれるということです。
保有ポジションが強制ロスカットされても「0」でカットされるということでゼロカット。
ゼロカットは「追証なし」ともいわれますが、本来ゼロカットとは別々の意味です。
追証とは追加保証金の略称で、証券会社に追加してお金を差し入れなければならない状態のこと
FXのようなレバレッジ取引でもっとも恐ろしいことを知る

国内FXや株式信用取引のようなレバレッジ取引の一番こわいことは追証によって入金額以上の損失ができてしまうことです。
レバレッジとは借金のことで、トレードで失敗した場合、借金だけが残るケースだってありえます。
株式の信用取引が一番わかりやすいのですが、借金をして買った株価が暴落した場合には、入金せずに必要な証拠金を下まわった時点で強制ロスカットとなり、口座資金はゼロに(近く)なります。
しかし、株式の世界で2018年末に起こったサンバイオショックのように連続でストップ安をつけて売るに売れない(損切りをしたくてもできない)日が続いてしまう場合には借金だけが残る最悪なケースとなってしまうこともある。
じつは国内FXにおいてもこれに近しきことが起こる可能性はあります。
FXはかならずしも指定した価格で約定されるわけではない

FXにはスリッページがあります。
自分が指定した価格で「約定されない」ということがたびたび起きてしまう。
そもそもFXの指値注文(逆指値含む)というものは、指値価格で約定されるなんて保証はなく、ある瞬間スプレッドは開きますし、その価格になったら成行注文をするということになります。
即ポジションを保有するFXの成行注文であっても、指標などによって相場が大きく動いているときには発注ボタンを押した瞬間にモニターで目にしていた価格で約定されることなんてないです。
ロット(数量)が大きくても約定する価格は不利にずれます。
そしてFXのメジャー通貨で起きた代表的な事件として、2015年のスイスフランショックと2019年1月3日のフラッシュクラッシュがあります。そこまで昔のことではないですね。
一瞬にして価格が飛ぶようなショックが起きた場合、オーダーしていた価格(ロスカット)で決済できません。
いき過ぎた分が借金となってしまう可能性だってあるのです。
もちろん低レバレッジにすればするほどにこのような恐ろしい事態を回避できますが、
FXの利点がレバレッジをかけることにあって、FX自体がレバレッジをかけることを前提としているもの。
自分には関係ないと思っていても、誰しもが欲がでればレバレッジは大きくなってしまうもので、スイスフランショックが起こる前、メジャー通貨のひとつであるスイスフランをトレーダーは当たり前のようにレバをかけて取引していました。
実際に過去に起きたフラッシュクラッシュでは、安全通貨同士で流動性ともに安定しているドル円の通貨ペアでさえ短時間で5円もの価格で動きました。
相場に何が起こるかなんてわからないのです。
この先だって世界的な大事件や、そのとき流動性の不足によって為替レートが飛ぶことはあるでしょう。
最近では2020年の3月9日の大底がそうだったのですが、サーバーエラーによって証券会社につながらないということも起きました。国内FXでは誰もが知る大手証券会社でした。
2015年スイスフランショック、2016年のブレグジット、そのあとのトランプラリー、2019年のフラッシュクラッシュ、そして2020年以後だって原油価格がマイナスとなったり波乱の相場は続いています。
ショックが起きてしまうとき、逆のポジションを保有して値が飛ぶと思うとゾッとする。
トレードスキル以前にトレードは事前に想定外のリスクもヘッジしておかなくてはならない。
海外FXはゼロカットがあるからおすすめって本当?
誤解してほしくないのが海外FXのゼロカットが良いという話ではありません。
やり方次第であってFX自体にリスクはある。
ゼロカットがあるから海外FXがオススメなのではなく、レバレッジの選択肢や銘柄、EAや拡張機能を使える選択肢が多いから海外FXを使わざるをえないトレーダーが多く、
結果として、これがまたハイレバレッジとゼロカットの相性がいい。
ひとつの口座にまとまった資金を入れてレバレッジ3〜5倍のトレードをするならば国内FXで問題ないと考えています。
(ただ、そのようなトレーダーはなぜFXにこだわって株式投資にいかないのか)
利用する海外FX業者は、XMやExness、ThreeTrader、Titan FX、Axiory、Tradeview、IC Marketsといった大手か有名なところを使うようにしましょう。
海外FXはなぜ「追証なし」なのか

なぜ「国内FXは追証あり」で「海外FXは追証なし」なのか。
ここでは「強制ロスカット後のマイナス分を顧客に支払うことを要求してくること」を指すとして、その違いは以下のことがあります。
- 【国内FX】国内の法律では、顧客の損失を証券会社側が補填することが禁止されている
- 【海外FX】海外から他国の顧客に対しての取り立ては実質不可能であることから、最初からサービスのひとつとしてゼロカット(追証なし)を提供している
ゼロカットの正しい考え方
FXは投機なので何が起こるかわからない世界です。
入金額以上の損失がないからこそ、自分の資金全体で考えたときに、ひとつの口座に入金している額までが事実上のストップとなっていることに気づくはずです。
これこそが海外FXのゼロカットの最大の利点であり、FXの世界ではレートが飛ぶことがあるので心の安定剤としてゼロカットがある。
でもそれだけ。
実際のトレードでは、ゼロカットされることのないトレードをすることが理想ではある。
ゼロカットしてしまうくらいの一発勝負を何度もしたところで、どこかで全部を吐き出すだけです。
例外としてあらかじめ入金額や口座資金を、こまかく複数に分けて戦略的にハイレバするならOK!
まとめ:FXでは安定して勝ち続けることのほうが大事であり、
ゼロカットはあ・く・ま・で保険。
ゼロカットによって借金ができることなく安心してトレードできますが、そもそもFXはゼロカットされないトレードをすることが望ましい。