近年のFXでは多くの通貨ペアの取り扱いがあります。
とくに海外口座となると「数」が多いことによって「どの通貨ペアがいいの?」と、かえって混乱してしまうこともあるかもしれません。
このページではFXトレードの【おすすめの通貨ペア】と「その理由」について書いていきます。
FX初心者が投資リテラシーを向上できる内容にもなっています。
トレードするうえで知らなくてはいけないことがあり、極端なはなし選んではいけない通貨ペアもあります。 ではいきましょう!
最近のFXは取り扱い「通貨ペア」が多い

本来、FXの利点は「銘柄の数が少なくて」シンプルに取引できるということにありました。
株式投資のように数千という上場企業のなかから分析して決算書を読み込んで〜なんてしなくていいわけです。
資金管理やテクニカル分析など、もちろんFXに必要なことは学ばなくてはなりませんが、
「少ない資金からはじめられること」を含めて参入のしやすさこそがFXトレードのメリットだと考えています。
そしてFXはレバレッジによって効率よく増やしていくことができる!
「シンプルさ + レバレッジ」がFXの魅力ですが、
近年のFXブローカーはマニアックな通貨ペアや「CFD」というものを含めて銘柄の数が多くなりすぎて、
新規のFXトレーダーにとって非常にわかりずらいものとなってしまっている。
初心者トレーダーに知っておいてほしいことは、
じつは取引すべき「通貨ペア(銘柄)」は、かなりかぎられるということです。
このことを知っておくだけでもいっきにFXはやりやすくなるはずです。
もちろん取引する銘柄の選択肢が豊富にあることはメリットとなりますし、
自分だけが知っているおいしい通貨ペア、このCFDだからこそ使える特別な手法というものも存在するかもしれません。
しかし、そんなものを探し当てられる可能性は低いので、まずは王道を知ることからです。
おすすめの「通貨ペア」は?
結論からいうとドル円の通貨ペアですね。
USDJPYです。USDやJPYとは「通貨コード」のことでMT4 / MT5ではこの表記が使われています。
通貨ペアの先頭の通貨名(ドル円ならばドルのほう)を意識すること。
チャートを見れば、その通貨が後ろの通貨に対して上がったか下がったかということです。
定番すぎて答えがつまらないかもしれませんが、最初は「ドル円」からがいいです。
これは海外FXにかぎったはなしではないですね。
ドル円からはじめてFXに慣れていくことが王道。
なぜ「ドル円」なのか
なぜかというとUSドルの基軸通貨とのペアであって流動性が高いからです。
そして自分たちの国の通貨でもあるので一番よく知っているということ。
基本は米国と日本時間の指標と経済ニュースに気をつけるだけでいい。
米国のニュースは世界中で報道されています。
逆に、それ以外の各国のニュースを追っていても日々の生活に追われて時間もないので情報は追いきれません。
もちろんテクニカルだけでFXしているトレーダーが多いと思うのですが、それでも「その国に関連する指標発表がいつあるのか」は絶対に知っておくべきです。
そういう意味では完全テクニカルだけでトレードするということはできないです。
ドル円は、リスクオン方向とリスクオフ方向がはっきりしている(一般に悪材料が起きてしまったのならリスクオフとして円高となる)のでトレードしやすい通貨ペアといえます。
取引条件としても、どこのFXブローカーであっても「ドル円」の通貨ペアだけは変なスプレッドや不利な取引条件に設定されていません。
FX業者の「顔」となる通貨ペアなのでここを不利にみせるわけにはいかないと思うのです。
スワップも、わりかしフェアです。
ドル円の買い方向にはプラススワップ、売り方向にはマイナススワップがつくことがほとんどなのでわかりやすい。
スワップについて詳しくはこちら:【マイナススワップについて!】どう対処する?
デイ・スイングトレードはもちろんのこと、
東京時間として日本の株式市場がはじまる9時からよく動くのでスキャルピングもしやすいです。
つまりドル円はどの時間軸でもトレードできます。
そして安全通貨同士で比較的なめらかな動きをする。
ポンド、ゴールドほど一撃死する通貨ペアではない!
以上のようにありとあらゆる理由があります。初心者の練習に最適。
そして究極的に「なぜドル円なのか?」をこのページあとのほうにも書いていますのでページを読み進めていってください。
「ユーロドル」と「ユーロ円」

ドル円のほかには、
次点でユーロドルですね!(定番すぎてつまらないですが)
ユーロドルも理由として世界でもっとも流動性があるからです。
米国以外の先進国が低迷していると嘆かれている昨今ではありますが、欧州連合といえば世界で大きな存在であることは事実なので、ユーロは米ドルに匹敵する通貨となります。
ただし欧州の事情までを追いきれないトレーダーは多いですし、
ユーロドルは取引単位としてはドル円よりも若干ロットを下げなくてはいけないと考えています。ユーロ円についても同じです。
ユーロドルはEURUSD、ユーロ円はEURJPYの表記です。
ほかにおすすめな「通貨ペア」

「ドル円」や「ユーロドル」以外のメジャー通貨ペアもおすすめ!
「オーストラリアドル」と「ニュージーランドドル」
意外に思われるかもしれませんが、
「オーストラリア」と「ニュージーランド」のオセアニア通貨は取引しやすい通貨ペアです。
豪ドルはオージー、ニュージーランドドルはキウイという愛称で呼ばれています。
これらオセアニア通貨は、流動性あってボラティリティーもあるのでトレーダーにとって取引しやすい!
AUDUSD、AUDJPY、NZDUSD、NZDJPYのどれであっても取引しやすい通貨ペアです。
資源国通貨としてリスクオン方向に動くことが多いです。
しかしオージー、ニュージーといった国の国際社会と世界経済における立ち位置や指標発表までに精通しているトレーダーは少なく、オセアニアはなじみがないという理由で取引する人は少ない印象ですね。
ドル円と同じロットを取っても証拠金維持率に余裕を感じるかもしれません。
かといって大きく取引するとドル円とは値動きの感覚が違うので、ドル円のロットと同じくらいにしておくことがコツですね。
ポンド(「ポンドドル」と「ポンド円」)
ポンドはボラティリティー(激しい価格変動)のある通貨の代表格です。
リスクを取れるトレーダーにとってはポンドはゴールドと並んでおすすめの通貨となります。
初心者にはむずかしいかもしれませんが、リスクあるからおすすめしないということではないです。
トレーダーにとっては大きな値動き(ボラ)がないと利益を取れないからです。
ポンド専門のトレーダーもいるくらいです。
ポンドドル(GBPUSD)のほうが無難で、ポンド円(GBPJPY)でもいいのですが値動きがより激しく感じるはずです。
コツとしては、はじめてポンドを取引する場合にはロットを下げること!
普段のドル円のロットの半分でもいいくらいです。
メジャー通貨ペア以外でおすすめのCFD「ゴールド」など

CFDとはなにか?
差金決済取引のことで、
簡単にいうと株価指数などをFXのようにトレードできるということです。
「貴金属、エネルギー、商品、インデックス、仮想通貨といったカテゴリーの銘柄をレバレッジをかけてピンポイントで利益を抜いて残高を増やすことを目指す」ということで為替のFXと同じようにトレードできます。
ゴールド(XAUUSD)
ゴールドはボラティリティーがあります!(価格変動が大きいこと)
ポンドと同じ話で「ボラ」があるから危険なのではなく、FXでは「ボラ」があるからこそチャンスがあるのです。
そういった意味ではゴールド(XAUUSD)だって本来おすすめできる銘柄となります。
ただしその分、資金を溶かしやすい銘柄であることも事実なので、より資金管理力が求められます。
ようするにポンドやゴールドといった銘柄を積極的に取引してもいいけど取り扱い注意ということですね。
US30
株価指数の王様はNYダウです。
世界でもっとも有名な株価指数がNYダウであり、米国株式は世界でもっとも売買されている(出来高が多い)のでトレードしやすい銘柄といえます。
FX業者では「US30」という表記がよく使われています。
FX業者の株価指数の現物(Cash)と先物(Future)では違いがあるので詳しくはこちらで:CFD・原油・ゴールドの取引はどうか?知らなくてはいけないこと
この記事では上記のゴールドの取り扱い方法もあわせて解説しています。
「CFD」のまとめ(ゴールドトレーダー多すぎ)
海外FXトレーダーは「ゴールドトレーダー」が多いこと!
FXブローカー側で発表されているもっとも取引された通貨ペアが「XAUUSD」であることが近年多くなっています。
ゴールド、指数といった銘柄であっても海外FXの利点を活かした「CFDでさえハイレバレッジ」でガンガン攻めていけますが、あくまで中級者以上向けではある。
原油(WTI原油先物)も上級者向けです。
商品に関しては取引しなくていいです(笑)
ビットコイン(BTCUSD)に関しては次世代感あってFXトレーダーに当然おすすめできます!…が、ほかのCFDの例に漏れず「ロット」には注意!
取引してはいけない銘柄(通貨ペア)とはなにか!?

全通貨ペアとCFDのなかで取引してはいけない銘柄とは? 次の2つのいずれかに該当する銘柄です。
「流動性がない」銘柄
流動性がない(出来高が少ない)銘柄の取引は基本的には負けます。
トレードする以前の問題なんです。
あまり動かないとされている銘柄には手を出す必要はないですね。
例えばマニアックな商品・エキゾチック(マイナー)通貨がそうです。
おすすめできる定番の銘柄(通貨ペア)には理由があって、それは「流動性」があるからこそです。
FXブローカーの銘柄数が豊富なのはいいことなのですが、
「流動性のない通貨ペアで取引すると負ける」このことだけは覚えておいてください。
値が飛んだり、スプレッドがおかしかったり、約定しないことさえあります。
「よくわからない」銘柄
よくわからない銘柄には手を出さないことです。
このことはなにもFXだけにかぎったはなしではありませんよね。
よくわからない人や投資対象にお金を支払って騙される人は多いです。
自分がよくわからない銘柄にいきなりお金を突っ込んで損をしてしまう人の心理がわかりませんが、世間をみると結構やりがちなこと。
とにかく、
「よくわからないものに手を出すと負ける」このことも絶対に覚えておいてください。
「取引してはいけない銘柄」の逆
最後に、冒頭でいった通貨ペアがなぜおすすめなのかをまとめると、
上記「取引してはいけない2つのこと」の逆をいうと、
「流動性があって」「よく知っていること」の掛けあわせになります。
つまり取引すべき通貨ペアは、
「よく知っている国の通貨で、流動性がもっともある通貨」ということになります。
もっともよく知っている国の通貨で、かつ流動性がもっともある通貨ペアのひとつとはなにか!?
このことを考えると、
なぜ一番おすすめできる通貨ペアが「ドル円」なのかということがわかっていただけたと思います。
ほかにおすすめできない「通貨」はある?

しいていうならばスイスフランです。(スイスはいい国ですが)
スイスフランは「メジャー通貨」でありCHFと表記されます。
スイスフランは必要証拠金と最大レバレッジが不利なことがある。
スイスフランショックの前例があったので、各FXブローカーはそれに警戒して制限のある取引条件のままであることが多いです。
それを知らず、ほかの通貨ペアの感覚と同じようにスイスを含んだペアで勝負すると証拠金維持率が低い状態でスタートすることがあります。
ただし、スイスフランをおすすめしないというのは主観的なことになってしまい、
たとえばスイスの国の事情とスイスフランの値動きによほど詳しいスイスマニアの方ならばいいのです。
なにか法則性を見つけられてチャンスだと思えば入ればいい。ただし、そのような人はあまりいないと思います。
なにもスイスフランを取引しなくともスイスフランのような値動きをするほかの通貨はあり、一般的にリスクオフ(悪材料)になるとスイスフランとともに円、ゴールドが避難先として買われる傾向はあります。
最大レバレッジが違う「通貨ペア」
代表的なFXブローカーXM(最大レバレッジ888倍)を例にすると、
すべての口座タイプを対象に「最大レバレッジが違う通貨ペア」があります。
EURDKK、EURHKD、GBPDKK、USDDKK、USDHKD、USDCNH、EURRUB、USDRUBのレバレッジは最大50倍、
USDTRY、EURTRYは最大100倍となっています。
これらの通貨ペアはマイナーで通常、取引することはないですね。
ちなみにCHFを含んだ全通貨ペアの最大レバレッジは400倍です。
取引条件はFX業者によりますが、ほとんどのFX業者でマイナーな銘柄に対して最大レバレッジを制限しているということがあります。
DKKとはデンマーク・クローネ
HKDとは香港ドル
CNHとはオフショア人民元
RUBとはロシア・ルーブル
CHFがスイス・フランです。
「長期投資」と「短期トレード」を分けて考えること
トルコリラなどの新興国通貨建てのスワップ目的の長期積み立てはしないことです。
プラススワップを得るために長期で通貨を保有することはやめたほうがいい。
FXはレバレッジを効かせた短期のトレードなのであって、基本的には長期で保有するものではありません。
もちろん数日、数週間のスイングトレードはありですが。
長期には長期に適した投資手法(株式、債券、不動産など)があるのですが、
FXはそうではありません。
FXの長すぎる保有は意味がないです。
もちろん新興国通貨のロング・ショートの短期トレードであれば、チャンスがあるならばトレードしてみてもいいでしょう。
株式指数のCFDはもちろんのこと、個別株やビットコインをCFDとして取り扱っているFXブローカーもありますが、
基本的にFXはレバを効かせてピンポイントで入って、すぐに抜けるといった使い方です!
何年も保有し続けることを前提とするならば、本物の現物株やビットコインを保有したほうがいいです。
そんなん当たり前やろって思うかもしれませんが、
よく知らない人にとってはFXで長期投資はやってしまいがちなミスでもあります。
FXトレードはあくまで短期です!!
今回は以上となります。
FXは投機であることもあって世間からギャンブルだとみなされているところはありますが、FXトレードから学べることは本当に多いです。
これからも金融リテラシーを高めていきましょう(海外FXという斜め上から)